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Author:井垣太介 (Taisuke Igaki)
日本及び米国NY州弁護士
 @西村あさひ法律事務所

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合併の税務(その7)~逆三角合併の場合~

米国では、通常の三角合併(Forward Triangular Merger)に加えて、逆三角合併(Reverse Triangular Merger)が頻繁に利用されます。これは、合併のターゲット会社が特定の事業の許認可を有していたりする場合に、許認可の取り直しを避けるためにターゲット会社を存続会社として残し、買主側の子会社(買収子会社)がターゲット会社に吸収合併される形態のM&Aが有用だからです。例えば、自動車大手の独ダイムラーと米クライスラーの合併も、Reverse Triangular Mergerの形で行われました。

他方、日本の会社法下で平成19年5月以降可能となった三角合併は、買収子会社が存続会社となる「正三角合併」のみであり、「逆三角合併」については手当されていません(会社法800条)。そこで、日本の実務では、対象会社の許認可等を残すための方策、すなわち、「逆三角合併」と同様の効果を発生させるスキームとして、「三角株式交換」方式が検討されることがあります。

「三角株式交換」方式とは、

① 買収子会社が対象会社の株式を一定割合取得する(公開買付け)。
② 買収子会社を完全親会社、対象会社を完全子会社とする株式交換を行う(対象会社の株主には、外国親会社の株式を交付する(*1))。
③ 対象会社を存続会社、買収子会社を消滅会社とする「逆さ合併」を行う(その結果、外国親会社が対象会社の完全親会社として残る)。


という「公開買付け+株式交換+逆さ合併」の組合せによる買収方法ですが、この方式の問題点は、税務上「適格」となるかどうかが疑わしい点にあります。すなわち、最初の公開買付けによって対象会社の50%超の株式を取得できなかった場合は、「共同事業を行うための適格株式交換」に該当させるために「株式継続保有要件」を充たす必要がありますが、買収子会社は最後の逆さ合併で消滅してしまいますので、この株式継続保有要件を充足するか否かに関して疑義が発生するのです。

よって、逆三角合併と三角合併を同様に扱わない点については、アンバランスという指摘が可能であり、立法による解決が望まれます。


(*1) 株式交換においても、「対価の柔軟化」によって、「株式交換完全親会社(*上記例では買収子会社のこと)の株式、社債、新株予約権、新株予約権付社債その他の財産」を交付することができるようになりました。

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