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Author:井垣太介 (Taisuke Igaki)
日本及び米国NY州弁護士
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合併の税務(その2)~100%の支配関係がある場合~

前回のコラムで述べたように、「適格合併」として資産の譲渡損益に対する課税が繰り延べられる組織再編成の特例は、
① 企業グループ内の組織再編成
② 共同事業を行うための組織再編成

に限定され、それぞれ一定の要件を充足しなければなりません。以下、順に説明していきたいと思います。なお、以下で登場する株式保有割合は、特に記載がない限り、議決権ベースではなく、発行済み株式総数に占める割合を指します。

(1) 企業グループ内の合併について

例えば、前回のコラムで挙げた例において、存続会社であるA社が消滅会社であるT社の100%親会社であったとします。このように企業グループ内の100%親子会社関係にある会社同士が合併し資産が移転しても、実質的にはその完全支配関係は合併の前後で全く変化しないと言えます。よって、100%親子会社間の合併については、「適格合併」として、資産は帳簿価額で移転し、譲渡損益の額は認識されません。また、存続会社と消滅会社の100%親会社が同一である場合についても、それら兄弟会社が合併したとしても支配関係は変化しませんので、やはり「適格合併」となります。

ただし、「適格合併」となるためには、そもそも論として、「移転する資産に対する支配が継続されている」ことが前提となります。よって、合併対価として存続会社およびその親会社(*1)の株式以外の財産の交付、すなわち「金銭等の交付」がなされるケースについては、組織内の再編成というよりはむしろ他社の「買収」に当たると考えられることから、「適格合併」とはなりません(*2)。

また、100%株式保有という当事会社間の関係は、合併後も継続される必要があります(ただし、「見込み」でよいため、結果として継続されなかった場合は救済されますが、例えば、合併後に第三者割当増資を予定しているようなケースでは、100%株式保有関係が継続されないことが見込まれているため、「適格合併」にすることはできません)。

以上より、【保有割合100%の完全支配関係がある会社間の合併】については、
ア 金銭等の支払がないこと
イ 直接または間接の100%の完全支配関係の継続(*3)

を要件に、「適格合併」となります。

なお、合併後に完全支配関係が維持できないケースであっても、依然50%超の支配関係が継続される場合は、次のコラムで述べる「持分割合が50%超100%未満の関係にある法人間」での「適格合併」要件を充たす可能性があります。


(*1) 三角合併の解禁を受けて、平成19年年度税制改正によって、「合併法人等の親法人の株式」が、適格合併の対価の範囲に加えられました。ここで言う「親法人」とは、「合併等の直前に合併法人等の発行済株式の全部を直接に保有し、かつ、当該合併等後にその発行済株式の全部を直接に継続して保有することが見込まれる法人」をいいます。 
(*2) ここは、合併の対価として「金銭等の交付」を行ってはならないという趣旨のため、以下のケースについては、金銭等の交付があっても「適格合併」の要件を充たします。
① 新株の割当てに際して1株未満の株式(端株)が生じたため、端株の代金として株主に金銭を交付する
② 反対株主が株式買取請求権を行使した結果、株主に金銭を支払う
③ 被合併法人の配当見合い金として株主に金銭を交付する

(*3) 存続会社と消滅会社との間に直接または間接の100%保有関係があるか(親子会社のケース)、存続会社と消滅会社が同一の者により直接または間接に100%保有されている関係があり(兄弟会社のケース)、合併後も同一者による100%の継続保有が見込まれること

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