プロフィール

Author:井垣太介 (Taisuke Igaki)
日本及び米国NY州弁護士
 @西村あさひ法律事務所

ブログ全記事表示

最近の記事

カテゴリー

FC2カウンター

最近のコメント

月別アーカイブ

ブログ内検索

リンク

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

M&Aと独禁法(その1)(日本の場合-総論)

M&Aは特定の市場における「競争」に影響を与える可能性があります。そこで、大型のM&A取引が入ってくると、当事者企業の法務部や弁護士は独禁法関連の規制範囲と手続をチェックすることになります。独占禁止法が、企業間のM&Aが「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合」や「不公正な取引方法による場合」(*1)に、それらを禁止しており、違反した場合には排除措置(独禁法17条の2)が採られる可能性があるからです。

実務的には、独占禁止法と、これを執行する公正取引委員会が策定・公表した<「企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」(企業結合ガイドライン)>(*2)の内容を理解することがまず大事になりますので、シリーズで順番に見ていきたいと思います。なお、「独禁法上の企業結合規制」は、「私的独占の禁止」「不当な取引制限の禁止」「不公正な取引方法の禁止」に続く、独禁法規制の「第4の柱」と言われています。

まず、独禁法本体でM&Aに関係してくるのは、第4章「株式の保有、役員の兼任、合併、分割及び事業の譲受け」(第9条~第16条)です。この条文群は、合併、会社分割、事業譲受、役員兼任等について規制していますが、これらの規定は「一般集中規制」と「市場集中規制」との類型に分けられることがあります。

【一般集中規制】(市場における個々の競争制限を問題とするのではなく、「事業支配力の過度の集中」そのものを問題とするもの)
1) 第9条: 他の会社の株式等を所有することにより事業支配力の過度に集中することとなる会社の設立はしてはならない。
2) 第11条: 銀行業又は保険業を営む会社は、他の会社の議決権の5%(保険業にあっては10%)を超えて株式を取得、保有してはならない。

【市場集中規制】(個々の市場における競売の実質的制限を問題として企業結合への規制を考慮するもの)
1) 第10条: 会社の株式保有の制限
2) 第13条: 役員等の兼任の制限
3) 第14条: 会社以外の者の株式の保有の制限
4) 第15条: 会社の合併の制限
5) 第15条の2: 会社分割の制限
6) 第16条: 事業の譲受け等の制限

・・・条文は上記のとおりですが、実務的には、
① どのような場合に公取委への事前の届出が必要か、
② 公取委の企業結合審査はどのようなプロセスで進んでいくか、
③ 「競争の実質的制限」に当たるとして企業結合が禁止されるのはどのような場合か、
④ 事前相談制度の概要
などを理解しておく必要があると考えます。独禁法改正の動きも含めて、続きは、次回以降のコラムで紹介したいと思います。

(*1) 「不公正な取引方法による場合」がM&Aに関して問題になることは極めて稀だと考えます。
(*2) 平成16年5月31日に公取委によって発表され、その後、市場確定の判断基準やセーフハーバーの範囲を見直した改正ガイドラインが平成19年3月28日に公表されました。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://taiigaki.blog62.fc2.com/tb.php/22-efbc2c0d

 ホーム 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。