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井垣太介 (Taisuke Igaki)

Author:井垣太介 (Taisuke Igaki)
日本及び米国NY州弁護士
 @西村あさひ法律事務所

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2011年2月10日に閣議決定された産活法改正案の概要

一昨日(2011年2月10日)に閣議決定された産活法改正案(「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の一部を改正する法律案」)が第177回通常国会に提出されます。

改正法案のポイントは、以下の通りです。
(1) 民主導の戦略的な産業再編等を促すため、以下の措置を講じます。
 ① 公正取引委員会との協議制度の創設
 ② 会社法の特例による組織再編手続きの簡素化・多様化
 ③ 産業再編等を行う事業者に対する長期資金の低利融資制度(ツーステップローン)の創設等
(2) ベンチャー・地域中小企業等を支援するため、以下の措置を講じます。
 ① ベンチャー、中堅企業等の成長企業への融資に対する債務保証
 ② 事業の引継ぎを希望する中小企業どうしの引き合わせ支援等

このうちM&Aに関係するのは(1)の方ですが、そのうち①は、主務大臣が産活法に基づく計画認定を行うにあたり、公取委と「協議」することを義務付けています(これまでは、主務大臣から「意見を述べるものとする」と規定されていました)。条文は「第13条(公正取引委員会との関係)」です。単に意見を述べるのではなく協議まで求めることで、産活法の枠組みを利用して行われるM&Aについては、公取委側の合併等の審査についても当事会社側(あるいは経済界)のニーズに応える合目的的な結果を導こうとする趣旨ではないかと考えます。新聞報道上はこれによるスケジュールの短縮が予想されていますが、スケジュールについては、現在審議されている事前相談制度の廃止が実現するかどうかや、公取委側の審査期間がどのように設定されるかによって決まってくるものと考えます。

続いて、②は、90%以上の株主が公開買付けに応じた場合の完全子会社化の手続簡素化を定めており、全部取得条項付種類株式に関連する株主総会の開催を不要とするもので、条文は「第21条の3(全部取得条項付種類株式の発行及び取得に関する特例)」です。

②にはもう一つ改正点があり、自社株を対価にする公開買付けを利用しやすくするため、現行の「株価」ではなく「株式交換比率」を株主総会で決議すれば済む特例を設けています。現行制度では、手続進行中に「株価」が変動してしまう可能性があったため、交換比率だけを決議すれば足りるとなれば手続の安定につながるでしょう。こちらの条文は「第21条の2(株式を対価とする公開買付けに際しての株式の発行等に関する特例)」です。

③は、政府が総額1000億円の資金を2011年度の財政投融資計画で確保し、日本政策金融公庫と民間の指定金融機関を経由して、M&Aを行う企業に5年ないし10年の長期資金として融資するというものです。

いずれも産活法に基づく事業計画の認定を受けた企業がM&Aを行う際に適用されるものであり、公布の日から起算して3ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するとされています。

【新旧条文対照表】はこちら
【会社法の読替表】はこちら


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