プロフィール

Author:井垣太介 (Taisuke Igaki)
日本及び米国NY州弁護士
 @西村あさひ法律事務所

ブログ全記事表示

最近の記事

カテゴリー

FC2カウンター

最近のコメント

月別アーカイブ

ブログ内検索

リンク

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

改正独禁法がM&A実務に与える影響(その2)

現行法上,株式取得については,単体総資産額が20 億円を超える会社であって,かつ,当該会社並びに当該会社の国内の子会社(当該会社が議決権の50%超を保有する会社)及び国内の親会社(当該会社の議決権の50%超を保有する会社)の総資産合計額が100 億円を超える会社が,単体総資産額が10 億円を超える会社の議決権を,10%,25%又は50%を超えて取得した場合に報告義務があります。

ところが,最近は,持株会社の解禁等によってグループ経営が盛んになってきていることから,まず,届出義務の範囲について,直接の親会社と子会社だけではなく,「企業結合集団」を基準に判断しようということになりました。

続いて,企業結合審査実務においては,市場シェアの算出のために総資産ではなく売上高を用いていることから,モノサシとして「国内売上高」を届出基準にすることになりました。

その結果,株式取得会社の届出基準については,株式取得会社の属する企業結合集団の最終親会社及びそのすべての子会社の「国内売上高合計額」を用いた基準(金額としては,当事者の一方が200億円超,他方当事者が50億円超)へ変更されました。また,パーセンテージについては,改正後は,20%,50%のいずれかをまたいで増加する場合に事前届出が必要ということになりました(10%から20%に引き上げられたという理解)。

なお,「企業結合集団」の定義が問題となりますが,ここはまだ確定していません。公取委の規則が近々定めてくれる予定ですが,親会社・子会社の該当性判断の際に,議決権のみならず実質的支配関係の要素が入ってくる点がポイントです(改正法10条6項,7項)。形式的基準で判断できなくなる以上,実務上は,ディール検討に入ったら,早々に「企業結合集団」の範囲確定作業も開始しなければならないことになるでしょう。

更に問題となるのは,「国内売上高」の定義です。今までのように,日本国内の子会社及び営業所のPL上の売上高だけを合計していれば良いというわけにはいかなくなる可能性があります。なぜなら,改正法においては,「国内において供給された商品及び役務」に関する売上高を求めることが要求されているからです。詳細は,公取委が定める規則によって確定されますが,商品やサービスの供給場所を基準とされると,企業が普段作成している財務諸表とは別に,国内売上高を算出するための資料を作らなければならなくなります(海外にあるグループ企業から日本に輸入した商品の売上高も入ってくるため)。何とか実務で使いやすい基準になってくれればと願います。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://taiigaki.blog62.fc2.com/tb.php/173-444b4011

 ホーム 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。