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Author:井垣太介 (Taisuke Igaki)
日本及び米国NY州弁護士
 @西村あさひ法律事務所

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公開買付けにおけるプレミアム(上乗せ率)の「流行り」

公開買付けには,いわゆるディスカウントTOBという,直近の市場株価よりも低い買付け価格を提示して公開買付けを行うパターンもありますが(これについては次のエントリーで書きます),通常は,公開買付けを公表する前の一定期間における平均株価に20%や30%といった上乗せを行った価格で買付けを行います。この上乗せの率については,国や時代によって流行りがあるようですが,日本の場合,昨日(2008年9月27日)付けの日経新聞によれば,2004年には平均9%だったプレミアムが,2007年には平均24%に上昇し,今年(2008年)は更に上がって年初から9月20日までの平均が48%となっているようです。

ただ,この48%という数字には,東宝がコマ・スタジアムを公開買付けによって子会社がした際の341%というプレミアムが含まれているため,これを例外的ケースとして外せば平均42%となるようです。また,上記日経新聞のデータは,TOB公表前3ヶ月のターゲット企業の終値平均と買付け価格を比較する方法で算出されていますので,「前日の終値」「1ヶ月の終値」「6ヶ月の終値」「1年間の終値」を基準にしたデータとは異なってきます。

続いて,日経のデータによると,TOBの中でもMBOに関しては更に強い上昇傾向を示しており,今年(2008年)9月25日までに公表されたMBO11件のプレミアム率平均は58%になっています。経産省の企業価値研究会が2007年9月に公表した<MBO指針>以前のプレミアム平均は28.5%だったとされていますので,その上昇傾向は顕著と言えます。これは,MBOに構造的に存在する買主(取締役)サイドの利益相反問題,売主・買主間の情報の不均衡問題から(レックス事件のような)トラブルに発展しないように,予め買取価格が高めに設定されるからだと考えます。

ただ,上記平均値については,冒頭で述べたように,その時期ならではの流行りという要素もあります。現在で言えば,株価の低迷です。市場株価が低く企業価値を反映していない場合は,プレミアムは拡大します。株を手放す株主から見れば高いプレミアムは有難いわけですが,高い買い物をしすぎたということにならないよう,プレミアムを抑えることも大事です。海外市場の平均は約30%とされていますので,これを基準に,対象会社やそのときどきの特殊事情を加味して決めればよいのではないでしょうか。M&Aにおけるプライシング全般については,また別のコラムで検討してみたいと思います。

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