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Author:井垣太介 (Taisuke Igaki)
日本及び米国NY州弁護士
 @西村あさひ法律事務所

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日本企業による海外企業の買収手法(その2)

2.準拠法について

さて、海外企業を買収する場合、その海外企業の設立準拠法や本拠地法を確認する必要があるかどうかが次に問題となります。たとえ日本の会社法が、「三角組織再編における子会社による親会社株式取得」を認めていたとしても、外国の法律がそれを認めていない場合があるからです。

「三角組織再編における子会社による親会社株式取得」に関しては、一般的に、親会社側の法律によって決めればよいとされていますが、子会社の設立準拠法や本拠地法が「三角組織再編における子会社による親会社株式取得」については子会社側の法律で規律すると定めているケースが皆無とは言えません。その場合は、親会社サイドの法律と子会社サイドの法律が抵触することになってしまいますので、子会社の設立準拠法や本拠地法の内容をチェックし、親会社サイドの法律に委ねられているのか、委ねられていない場合には、日本法と抵触しないかを確認しておかなければなりません。

続いて、三角組織再編を利用できるか、すなわち、買収される企業の株主に買収する企業の親会社の株式を対価として交付してよいかという問題については、買収される企業の設立準拠法や本拠地法が日本のように「対価柔軟化」を認めているか否かにかかってきます。よって、この点の確認が必要です。

また、合併や株式交換といった組織再編行為には通常取締役会や株主総会の承認手続が必要ですが、これは国によって異なることがありますので、買収される企業の設立準拠法や本拠地法に照らして必要な手続およびそれに要する日数を確認しておかなければなりません。

3.海外子会社による日本の親会社株式取得の手法について

子会社が親会社株式を取得する手法には、

① 市場において親会社株式を取得する
② 市場外で、第三者から親会社株式を取得する
③ 親会社から新株の発行を受ける
④ 親会社が自己株式や新株を子会社に対して現物出資する


方法などがあり、それぞれ問題を含んでいるということを、<三角組織再編の手続と留意点(その2)>で述べました。この議論は、日本企業による海外企業の買収時にも当てはまります。そして、親会社と子会社が現物出資の形を採って相互に新株発行や自己株式を行なう場合には、子会社側の設立準拠法や本拠地法を確認する必要性が高まりますので、更に注意が必要です。

4.日本企業の株式を対価として海外企業の株主から株式を取得する場合の注意点

これまで、合併・株式交換といった組織再編手法を検討してきましたが、オプションとしては株式取得の方法も存在します。株式取得となると、一定数を超える取得を目指す場合は対象会社国の公開買付け規制に服することになるほか、株式を対価として株式を発行することになる点で、現物出資規制が関係してきます。

現物出資規制との関係では、検査役の調査を回避できることが大事になりますが、買収対象の海外企業が上場企業であれば「市場価格のある有価証券」が現物出資財産となりますので、

① 価額決定日における当該有価証券の市場価格
② 価額決定日における公開買付け等に係る契約における当該有価証券の価格

のいずれか高い方の金額を超えなければ
、会社法207条9項3号・会社法施行規則43条によって検査役の調査を回避することが出来ます。

株式取得の方法による海外企業買収に関する問題点の続きは、次回のコラムで述べたいと思います。

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