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井垣太介 (Taisuke Igaki)

Author:井垣太介 (Taisuke Igaki)
日本及び米国NY州弁護士
 @西村あさひ法律事務所

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証券(金融商品)取引所規則に基づく適時開示(その1)

例えば、A社がT社の株式に対する公開買付けを予定していると仮定します。この場合、金融商品取引法167条によって、A社の「関係者」(役員・従業員や情報受領者)は、公開買付けの事実が「公表」されるまでT社の株式を買うことができません(詳細は、<インサイダー取引規制について(その5)~公開買付けに関するインサイダー取引規制~>ご参照)。このインサイダー取引規制は、一定のルールに従い重要事実の「公表」がなされたとみなされるまでの間、株の取引を禁止するものですが、これとは別に、重要事実について会社が機関決定をしたならば直ちにその内容を開示しなさいという規制も存在します。「決めたらすぐに公表せよ」「公表するまでは売買するな」・・・この2つのルールを徹底して初めて市場の健全性が保たれるというわけです。

さて、「決めたらすぐに公表せよ」ということですが、金融商品取引法に基づく上場会社の継続開示義務としては、各四半期終了後45日以内にEDINETを通じて「四半期報告書」を提出しなければならないとされているほか、金融商品取引法第24条の5に基づき、一定の場合(*1)には、遅滞なく臨時報告書をやはりEDINETを通じて提出しなければならないとされています。そのほか、証券取引所が、上場会社が有する情報のうち、市場の参加者の判断に重大な影響を及ぼす情報が適時適切に開示されるよう、いわゆる適時開示規則を定めていますので、東京証券取引所が構築したTDnet(Timely Disclosure network、適時開示情報伝達システム)を通じて会社情報の開示を行う必要があります。TDnetに登録された適時開示情報は、開示時刻になると多くの報道機関に配信されるとともに、適時開示情報閲覧サービスに掲載されて公衆縦覧に供されます。

適時開示が求められる会社情報は、有価証券の投資判断に重要な影響を与える会社の業務、運営または業績等に関する情報で、情報の種類別に、

① 上場会社に係る情報
② 子会社に係る情報
③ 非上場の親会社等に係る情報


に区分されています。また、上記の3種類の情報はそれぞれ、

ア 決定事実に関する情報
イ 発生事実に関する情報
ウ 決算に関する情報


に区分されます。①ア(上場会社に係る決定事実に関する情報)の例のうちM&Aに関するものとしては、株式交換、株式移転、合併、会社分割、事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け、子会社等の異動を伴う株式又は持分の譲渡又は取得その他の子会社等の異動を伴う事項、公開買付け又は自己株式の公開買付け、公開買付け等に関する意見表明等が挙げられますが、詳細は、<東証のウェブサイト><大証のウェブサイト>をご覧ください。なお、TDnetに登録された情報は、開示時刻になると適時開示情報閲覧サービスに掲載されることになりますが、その時点で法令上の重要事実及び公開買付け等事実(金商法第27条の22の2第1項に規定する公開買付けに係るものに限る。)に係る公表措置は完了することとなります。


(*1) 臨時報告書の提出が義務づけられるのは、以下の場合です。
(1) その発行する有価証券の募集又は売出しが外国において行われるとき
(2) その他公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条)で定める場合に該当することになったとき

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