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Author:井垣太介 (Taisuke Igaki)
日本及び米国NY州弁護士
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独禁法改正案について

2008年3月11日付けで独禁法改正案が閣議決定されていますが(*1)、<M&Aと独禁法(その2)>において、

【(1) 独占禁止法第4章に係る届出・報告制度の見直し
○ 会社等の株式取得につき、合併等の他の企業結合と同様に事前届出制度とする。
○ 我が国市場に影響を及ぼす外国会社に係る企業結合に関し、届出基準を見直す。
○ 親子会社間及び兄弟会社間のみならず、いわゆる叔父甥会社間の合併等についても、届出を免除する。】


という公取委の方針のみ記載し、最終的な改正案を紹介できていませんでしたので、ここで簡単にフォローしておきたいと思います。

独禁法改正案の内容としては、課徴金の適用範囲の拡大、カルテルの主犯格事業者に対する課徴金の割増算定率の導入、課徴金減免制度の拡充、課徴金納付命令等に係る除斥期間の延長など多岐に亘りますが、ここでは、企業結合規制の見直しについてのみ触れます。

企業結合規制関連の改正案は、以下の二点に集約されます。

① 株式取得を事前届出制とした上で、届出基準を見直す。
② 合併等の届出基準を見直し、届出免除範囲を拡大する。


1. 株式取得について

これについては、もともと事後報告で済んでいた「会社の株式取得」について、合併等の他の企業結合スキームと同様に事前届出制とするもので、届出基準は以下のとおり見直すものとされています。
 
現行
改正案(国内会社・外国会社ともに)
株式取得会社
会社並びにその直接の国内の親会社及び子会社の総資産の合計額100億円超等
企業結合集団(*1)の国内売上高の合計額200億円超
株式発行会社
単体総資産10億円超(国内会社の場合)
会社及びその子会社の国内売上高の合計額20億円超
(*1) 株式取得会社の属するグループの「最終親会社」およびそのすべての子会社(実質支配力基準による)から成るグループ。

また、現行法では、当該取引により、議決権保有割合が、10%以下から10%超、25%以下から25%超、50%以下から50%超に増加することをメルクマールとして事後報告義務が発生しますが、改正案では、これを、「企業結合集団ベースで、20%以下から20%超、50%以下から50%超」という二段階式に簡素化しています。

2. 合併、分割、事業等の譲受けの届出基準の見直しについて

現行法の基準については、<M&Aと独禁法(その3)>をご覧ください。ここでは「総資産」ベースで、「100億円、10億円」という数字が出てきますが、この数字が、「国内売上高の合計額」ベースとなり、かつ、金額がそれぞれ「200億円、20億円」に引き上げられます。また、改正案では、届出基準の算定対象範囲は、株式取得のケースと同じく、原則として企業結合集団とするとされています。

また、外国会社についても、国内会社と同様の届出基準を適用されることになるほか、いわゆる叔父甥会社間の合併等同一企業結合集団内の企業再編については、届出が免除されることになります。

なお、企業結合規制そのものではありませんが、公取委自身が行う審判制度の存続を巡っては昨今いろいろな意見が出ていますので、折を見て取り上げてみたいと思います。

(参考)
・ 改正案の概要:http://www.jftc.go.jp/pressrelease/08.march/08031101-01-besshi.pdf
・ 改正案の新旧条文対照表:http://www.jftc.go.jp/pressrelease/08.march/08031101-04-betten3.pdf


(*1) この改正案の成立は今国会中には難しそうですので、秋の臨時国会に注目したいと思います。

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